既存木造校舎は、上・中・下階の三段の敷地に、東西方向に長く建物が並び、それを南北方向の渡り廊下で結んでいました。神川対岸の県道（上田菅平線）より見ると、赤い瓦葺きの家並み、白い下見板張りの外壁が明るく陽に照らされ、真田中学校の清潔なイメージとして強く印象に残りました。
このイメージを継承した新校舎とすることをコンセプトに計画を進めました。
既存校舎は前面県道より約6mも下った位置にあったため、坂を降りていく感じがあり、登校という雰囲気が出ませんでした。
新校舎では、ベデストリアンデッキを設け建物2階にアプローチすることで、県道よりほぼ平らに導入する計画としました。
また、基準階を2階としたので、登下校時の上下階移動が一層分で済みます。
画一的でない豊かな空間となるよう、次のように自然と一体感のある環境としました。
・登下校時に体験する木製トラスを使ったキャノピーのあるアプローチ空間
・旧校舎より樹木を多数移植した周辺環境
・敷地の段差を利用したステージのある中庭空間
これらの環境が外気の爽やかさを伴って印象に残る風景となっています。
